加藤尚武『応用倫理学のすすめ』丸善ライブラリー

2010.04.21(16:22)
倫理学といってもなかなか馴染みがないし、よく分からんと言うのが実際の所だと思います。本書ではきわめて現実的な問題に倫理学を応用してみよう、というコンセプトで内容が構成されています。

キーワードとなるのは「他者危害の原則」「自己決定権」と言った言葉です。個人のもつ「他人に迷惑を与えない限り何をしても良い権利」が自己決定権、「他人に危害を与えない限り政府は個人に干渉しない」原則、これが「他者危害の原則」としています。

この2つの考えを基礎に、ポルノ、服部君射殺事件、子供の名前の決定権、死刑廃止論、今話題の捕鯨問題などを考察していきます。我々が普段何となく、漠然と判断していることを一定の基準を持って改めて考えてみると、物事を考えずに流されていることを実感し驚きます。

著者は国内倫理学の第一人者。80年代にバイオエシックス(生命倫理学)を日本に紹介したことで有名です。

当たり前と思っていることを、もう一度見直し考え直すことの重要さを実感されられました。著述は理論的かつ明快で読みやすく、やたら難解な専門用語を並べることもありません。また本書の他にも『環境倫理学のすすめ』『子育ての倫理学』『現代を読み解く倫理学(応用倫理学のすすめ2)』『合意形成とルールの倫理学 応用倫理学のすすめ3』(いずれも丸善ライブラリー)など多数が出版されていますのでより興味を持たれた方は併読することを勧めします。



応用倫理学のすすめ (丸善ライブラリー)

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