野矢茂樹『入門!論理学』中公新書

2015.08.16(16:03)
以前NHK教育で(今はEテレか)高校講座で「ロンリのちから」という番組を放送していました。これは高校生向けに論理学の基礎を映像化したものなのですが、なかなか興味深く楽しんでみることができ、論理学というものに興味が湧いてきました。書店でそれっぽい本を手にとって見ると、何やら数式のようなものがあれこれ書いてあってわけわかめ状態に陥ることが多く、なにかいい本がないかと探していました。

しばらくしてちょうどアマゾンでポイント半額セールがあって、その時色々新書を検索していた時に本書を発見しました。紹介文を見ても、記号や数式はほとんど使ってないし、今までの入門書とは少し違うとのことで購入することにしました。

第1章 あなたは「論理的」ですか?
第2章 「否定」というのは、実はとてもむずかしい
第3章 「かつ」と「または」
第4章 「ならば」の構造
第5章 命題論理のやり方
第6章 「すべて」と「存在する」の推論

本書では第1章で「論理的」とはどういうことか、という解説から入ります。それは言葉のつながりであり、意味のネットワークを踏み外すことなく正確に行き来できることであると説きます。そして基本となる用語「推論」「演繹」とはどういう意味なのかを紹介しています。ここで推測か推論かを判断する問題があるのですが読み始めたばかりの私は正直よくわからず結構ショックを受けました(笑)。

2章から4章は演繹的推論をなす言葉として「ではない」(否定)、「かつ」(連言)、「または」(選言)
「ならば」(条件法)の説明が行われます。このへんからだんだんと論理学の根幹をなす考え方が顔をのぞかせてきます。またこれからによって成り立つ演繹的推論=命題論理としています。

5章では2章から4章までの説明をふまえて命題論理の証明を行います。ここはかなり歯ごたえがあって一度読んだだけではちょっと厳しいかなと思いました。

第6章では「すべて」(全称)と「存在する」(存在)を扱います。これが命題論理に対する述語論理になります。そして最後に本書ではあまり触れなかった別の分野での論理学を紹介して終わることになります。著者は最後をこう結んでいます。

問題にする論理のことばが決まれば、それに対する論理体系も1つに定まるというほど単純ではありません。それらのことばを巡って、さまざまな立場が生じてきます。だからこそ、論理学は哲学と深く結びつき、根本的で、思考の限界に挑むような学問となっているのです。



本書を読んだあとですと、(本当に)ほんの僅かですが著者が言っていることがわかるような気もします。これだけのことを縦書きで、新書という枠組みで、記号を使わず書き切ったという部分にただただ敬意を覚えます。著者の野矢茂樹氏は東京大学大学院総合文化研究科教授で哲学者。最初に紹介した「ロンリのちから」の監修者でもあります。これからも何度も読みなおしてみたくなる本です。

入門!論理学 (中公新書)

“考える”ほどスリリングな遊びはない(前篇) 哲学者 野矢茂樹 WEDGE Infinity(ウェッジ)

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