木田盈四郎『先天異常の医学』中公新書
2007.02.28(17:53)
最近は生まれつき病気を持っているこのための支援団体なんかがネットで良く募金などを呼びかけていますね。
先天異常、つまり生まれたときから、最初からなにがしか通常とは違うモノを持っている人というのは意外と多いようです。本書ではそもそも先天異常とは何か、ということから始まってその種類、メカニズム、具体的な病気、薬害など基本的な知識や考え方を幅広く得られるように書かれています。
私たちは「先天異常」というと重い病気や奇形などをすぐ連想しますが、もう少し深く捉えてみる必要がありそうです。
特に第1章では「先天」とは「生まれる前に身につけていること」であり、「異常」とは「常でないこと」としています。そしてこの定義には優れている、劣っているという意味は含まず、同時に個人の部分的特徴を示すことであって全体像(人格)を示すものではないとしています。
先天異常の子供が生まれた家庭に対して因果応報とか、先祖がどうこう、というようなことが言われることがあります。本書のように分かりやすく先天異常について書かれた本が有りながら、そうしたことがまかり通っていることは残念です。
初版は1982年。そこから25年間の間に研究の進歩や価値観の変遷も少なからずありますのでぜひとも新版を出していただきたい一冊ですね。
先天異常の医学―遺伝病・胎児異常の理解のために / 木田 盈四郎
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